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皇室典範の改正について [ニュース]

天皇とは、天照大神(あまてらすおおみかみ)の子孫であり、天孫降臨から現在に至るまで男子直系で継承されてきた。
しかし、現在、皇太子徳仁(なるひと)親王夫妻に男子はなく、秋篠宮文仁(あきしののみや ふみひと)親王夫妻にも男子はない。現在の皇室典範に則ると、皇位の継承順位は、①皇太子、②秋篠宮、③常陸宮正仁親王(今生天皇=現在の天皇の兄弟)、④三笠宮崇仁親王(昭和天皇の兄弟)、⑤寛仁親王(三笠宮崇仁親王の長男)、⑥桂宮宜仁親王(三笠宮崇仁親王の次男)となる。

「皇位は皇統に属する男系の男子がこれを継承する」と定めた現在の皇室典範は、GHQ(連合国軍総司令部)の承認のもと、1947年に成立した。
1965年に秋篠宮が生まれて以来、皇族には40年間も男子が誕生していない。
何かの呪いか、何かか?(将門の呪いとか)

小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」は2005年11月24日、皇室典範の改正に関する最終報告書を発表。皇位継承順位を男女問わず「第1子優先」とし、女性皇族が結婚後も皇族にとどまり宮家を設立できるとする改正案を提出した。
政府は、今年(2006年)の通常国会で皇室典範の改正をめざす。
報告書通り改正が進めば、皇太子と雅子妃の娘である敬宮愛子内親王が史上9人目の女帝になる可能性がある。さらに結婚後の愛子内親王に子どもが生まれれば、母方のみ天皇の血筋を引く「女系天皇」が誕生し、天皇家はそれ以降、これまでの男系から女系に転じる。

もし、皇室典範が改正されたら・・・
皇位継承順位は、①皇太子、②敬宮愛子内親王、③秋篠宮、④眞子内親王(秋篠宮の長女)、⑤佳子内親王(秋篠宮の次女)、⑥常陸宮正仁親王、⑦三笠宮崇仁親王、⑧寛仁親王、⑨彬子女王(寛仁親王の長女)、⑩瑶子女王(寛仁親王の次女)、⑪桂宮宜仁親王、⑫承子女王(高円宮憲仁親王の長女)、⑬典子女王(高円宮憲仁親王の次女)、⑭絢子女王(高円宮憲仁親王の三女)となる。

さてさて、どうしたものか。
かつては、旧皇族を復籍させ養子縁組させる方法がとられていたそうだが・・・
私個人としては、上記手段を使ってでも、現在の「男子直系」で存続して欲しいと思う。
皇族費のこともあるし、日本の伝統でもあるから。


天皇は日本の象徴である。
そして、日本のすべての神社の総本山でもある。(出雲大社系は別か?)
「万世一系」の伝統を崩すのは惜しい気がするし、そんな簡単に日本の伝統を潰しても良いモノかと考えもする。
確かに、皇太子妃になった女性に対するプレッシャーは相当のものだと思う。
なんてったって「なにがなんでも男子を生め」と言われているものなのだから。嫁いですぐに「男子を生まねば」というプレッシャーがある。それも皇室内部だけではなく、日本国民全員からのプレッシャーである。これは相当なものだろう。
でも・・・それが日本の伝統なのである。
皇室が神武天皇から今生天皇の125代、ず~っと受け継いできたものなのだ。

皇室典範改正の反対派は「万世一系」の伝統を、目先の問題解決のために断絶すべきではないと主張する。
「男系でこそ天皇家であり、女系になればそれは天皇家ではない別のモノだ」と、戦後の皇室典範改正で皇籍を離脱した竹田家の竹田恒泰氏は話す。「天皇はなぜ尊いのかの根本は血統であり、男系だから絶対的な一本の家柄が続いてきた」
なぜ男系でなくてはならないのか。
ある大学教授の著書の中で、男性の遺伝子だけが持つY染色体は「天皇の御印(みしるし)」としての意味があると主張している。「初代の男性のY染色体は、どんなに直系から血が遠くなっても男系の男子には必ず継承され、女系になればもはや初代・神武天皇の染色体を継承していない」という。
ただ、万世一系は神武天皇以来の伝統ではなく、幕末から明治にかけて誕生した価値観にすぎないとの見方もある。
女性、女系を排除しようという動きの背景には女性の「血の穢れ」を忌避するという宮中古来のしきたりを守ろうとする意識も見え隠れする。

「女性天皇論」の著者である朝日新聞社総合研究本部の中野正志氏は、万世一系節は外国船の来航やアヘン戦争などの対外危機を背景に誕生したモノで、明治維新以降、日本の独自性を誇示するために唱えられた「巧妙な国家イデオロギー」だと指摘している。
「伝統というなら、三種の神器を継承すれば女系でもいいという解釈も成り立つだろう。南朝が正統とされた明治から昭和初期にかけて、天皇は北朝の子孫だったが神器を受け継いだから問題ないとされた。男系か女系かではなく、皇室や天皇制のあり方をこの機に論じるべきだ」という意見もある。
議論が不十分というのは、反対派にも共通する意見だ。
竹田恒泰氏(既出)は、「2000年続いてきた伝統を有識者会議の30時間足らずの議論で変えてしまっていいのか」と指摘する。

新聞の世論調査では、天皇に関心がないと答えた人が24%、皇室に関心がないが14%に達した。天皇への無関心層は若者ほど多く、20歳代では55%を占めた。
「天皇がいなくなれば、お年寄りの人たちは心の支えをなくすかもしれないが、私たち30代、40代の日本人には意味がないと思う」という意見もある。
「ただ、皇族の人たちは気の毒だと思う。とくに雅子妃は。皇室の格式は強すぎる」とも。
そもそも皇室の存在意義は何か。
天皇を神聖視する伝統主義者にとっては、そうした疑問をもつこと自体ありえない。
「皇室がなければ、日本は存在しなくなる」という考える人もいる。
「天皇陛下は特別な存在だ。普通の人間とは違う」
「戦後、天皇は日本の象徴だと教えられてきたことは悔辱にほかならない。国家元首たる天皇陛下こそが日本の本質なのだから」
大多数の日本人の目には、そうした考え方はきわめて時代遅れに映る。

皇室存続の危機をめぐる議論で、雅子妃の苦境を真剣に論じるメディアや政治家は、今のところいない。聡明で現代的な女性が世継ぎを産む「借り腹」のように扱われ、第2子へのプレッシャーから精神的に追い詰められているというのに・・・。
キャリア外交官が、皇族として外交の仕事を続けたいと思った。新しい日本女性の象徴で、責任ある仕事をもち、英語が堪能で海外でも活躍していた。そんな女性が、黄金の折に閉じ込められている。


・・・さて、皇室典範を改正すると、どうなるのか。
「天皇家の財布」の著者である森暢平氏によると、2004年度の皇室維持費は約273億円。神奈川県相模原市の年間予算に匹敵する。
イギリス市民権センターによれば、イギリス王室費の国民負担は日本の皇室を下回る年間約3670万ポンド(約75億円)。ただし、多くの王族は個人資産をもち、エリザベス女王は世界でもっとも裕福な女性の一人である。チャールズ皇太子は21歳の誕生日に贈与された14万エーカーのコーンウォール公領から、莫大な地代を得ている。
これに対し、日本の皇室は、終戦後に財産の大半を没収された。昭和天皇の遺産は株券と現金で約20億円。
天皇と皇族のために日本国民1人当たり年間214円、1世帯で約1000円を負担している。大した金額ではなさそうに思えるが、皇室典範が改正されて女性でも宮家を創設できるようになれば、国民の負担は当然増えるのだ。
これはすべて税金である。宮家が設立され、それぞれの宮家ごとの皇族費は、どの財源から充てるのか? この問題も片付けられていない。

天皇家の財布を見てみよう。
皇室関連費(2005年度予算)で、皇室費は68億7150万円。宮内庁費は107億7131万円。皇宮警察本部予算86億4650万円。・・・合計で262億8931万円である。
また、宮家ごとの皇族費(2005年度予算)を見てみると・・・
秋篠宮家は5185万円。常陸宮家は4574万円。三笠宮家は4575万円。寛仁親王家は5856万円。桂宮家は3050万円。高円宮家は3726万円。宮家の合計は2億6967万円である。
・・・皇室典範が改正され、皇位継承順位を男女問わず「第1子優先」とし、女性皇族が結婚後も皇族にとどまり宮家を設立できるとするとなると・・・この宮家ごとの皇族費が膨れあがるのである。

国民負担が増えれば、皇室の存在意義は今より厳しく問われるようになるだろう。
医療費や年金保険料、税金の負担が増えていくなか、皇室費の額は妥当なものなのだろうか・・・そう自問するサラリーマンが増えても不思議はない。


ここまで読めば、簡単に「第1子優先」とは片付けられないと思うのは、私だけではないハズだ。


皇室は、国民にどんなメリットをもたらしているのか?
天皇制の支持者がしばしば強調するのは、日本国の大使としての外交面での役割だ。だが、第2次世界大戦がアジアにおける皇室のイメージにつけた傷は、永遠に消えそうにない。

イギリスの王室支持者と同様、支持派は「伝統」と天皇制こそが日本の安定を支えてきたと主張する。
「戦後の日本でそれなりにうまくいったのは、経済面での成功と、歴史的な裏づけのある皇室のもとに結集した平和国家になったということだ」という意見もある。「皇室は、日本の安定性の利として価値がある」
天皇は危機に際して国民を結束させる「精神的支柱」だという意見もある。

「天皇が民間人になったら、彼を支持する政党や宗教団体が次々とできるだろう」との意見もある。「天皇に政治権力がない今と違って、本人が選挙に出て強い影響力をもつようになる可能性もある」

皇室は、歴史的には国家統合の中心的存在だったのだろう。しかし、今の日本にそうした求心力が必要なのだろうか?
「言葉や文化、あるいは政治的意見による分断も衝突もない日本に、国家統合の象徴が本当に必要なのか」という意見もある。


天皇制の支持派か反対派かを問わず、多くの人々が問題視するのは、現在の皇室論争には開かれた議論が欠けていることだ。有識者会議は政府おかかえの有識者が密室で議論するだけで、広く国民の意見に耳を傾けたとは言いがたい。皇室の役割拡大や皇室費など、皇室の将来のあり方に関する問題はほとんど議論されなかった。
我々日本人は、国民の目が届かなければ天皇制が政治的に利用される危険性をよく理解しているハズだ。

皇室の威厳を守ることに努めてきた宮内庁の職員たちにとって、イギリス王室がたどった運命はホラー映画そのものだろう。
皇室の維持費を支払っている国民も、そうしたシナリオは望んではいない。
しかし、菊のカーテンは閉ざされたままでは、今より親近感を抱くこともできない。皇室が存在する意義を考えず、いわば無目的に存続だけを論じる今の女帝論議は、そうした閉鎖性をいっそう強めかねない。

「万世一系は、すでに途切れているのだから、その維持にこだわるのは無意味だ」という意見もある。「重要なのは、王や天皇がいるべきかどうかではなく、王や天皇がいても民主主義が完全に機能しているかどうかだ」
そもそも、天皇は国民の支持なくして存続しえない。
「天皇は本質的に『国民の天皇』であることが運命づけられている。だから皇室は国民の人気を保たなければならないし、そのために今の皇室はできるだけ多くの国民と触れ合おうとしている」
ただし、皇室の伝統的な位置づけと国民の新しい価値観の距離を狭めるのは簡単ではない。昭和天皇が「現人神」とされていた時代はもちろん、結婚前の美智子皇后が「ミッチーブーム」を巻き起こしたころと比べても、日本人の結婚観や生活は大きく変わった。
晩婚化と少子化が進み、離婚が増え、結婚後も仕事を続ける女性が増えた。男性は子育てや家事にも協力するようになった。
そんな時代にあって、今の皇室は「統合の象徴どころか、国民のモデルとしても機能していない」との指摘もある。

憲法9条の改正論議は高まる一方だが、第1条をめぐる議論はほとんど聞こえてこない。そこには、こう定められている。
「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」


だからこそ、今後の皇室について、開かれた議論、時間をかけた議論が必要なのではないだろうか?



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